映画「流浪の月」

映画「流浪の月」を鑑賞しました。

この映画は、「2020年本屋大賞」で大賞を受賞した凪良ゆうの小説を原作にしたドラマ。
10歳の少女を自分の部屋に入れたために誘拐罪で逮捕された男が、15年後に成長した彼女と再会する作品。

ストーリーは、雨の公園で、10歳の少女・家内更紗(広瀬すず)がびしょ濡れになっているのを目にした19歳の大学生・佐伯文(松坂桃李)。
更紗に傘を差し出した文は、引き取られている伯母の家に帰りたくないという彼女の気持ちを知り、自分の部屋に入れる。
そのまま更紗は文のもとで2か月を過ごし、そのことで文は誘拐犯として逮捕されてしまう。
被害女児、加害者という烙印を押された更紗と文は、15年後に思わぬ再会を果たす。

誘拐された女児と犯人の大学生。(あくまで世間の見方)
事件後、交わるはずがなかった2人が思わぬ形で再会するストーリー。

ファミレスでバイトをしている家内更紗は、15年前に起きた誘拐事件の被害者。
事件の痕跡は今もネット上に残り、世間に好奇の目を向けられるが、更紗はその世間の目を何事もないかのようにやり過ごします。

誘拐された子を描いた作品と言うと「八日目の蝉」がありますが、この作品では赤ん坊だった子が誘拐。
一方で「流浪の月」の更紗は、物心がついている小学生。
ネットがなかった時代とネットが普及している時代の違いもありますね。

父を亡くし、母に捨てられ、親戚の家に引き取られた更紗。
しかし、更紗には親戚の家にいたくない理由がありました。

一方で文にも、ある秘密を抱えて心を閉ざしていました。
居場所のない2人が公園で顔を合わせて、文がかけた言葉が「うち、来る?」。
その言葉に同意した更紗は自らを「誘拐」される形を選びます。
更紗も文も、この経緯をきちんと話せていたら、情状酌量の余地はあったのではないかと思います。

詳細を書くのは、ここまでにしますが、1つの事件が15年経っても尾を引く形。
まさにネット社会の悲劇とも言えます。
ちょっと、姿を見かけただけで、たちまち拡散されてしまうわけですから。
そういう意味では、加害者とされている文も被害者であるとも言えます。

更紗の恋人である亮(横浜流星)も、常軌を逸したやり方で2人を追い詰めようとするえげつなさ。
結果的には自分の首を絞める形となりましたが、これでは前の恋人にも捨てられて当然だなと思えてきます。

亮と別れた更紗は文と同じマンションに住みます。
そして、ラストでは更紗が2人で過ごそうと文に提案します。
正体がばれたら、違う土地に移ろうと。

全てを捨ててでも求め合おうとする孤独な2人。
その行き着いた先で浮かべる安らかな表情が深い余韻を残してくれました。

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