映画「ドライブ・マイ・カー」

映画「ドライブ・マイ・カー」を鑑賞しました。

この映画は、村上春樹の短編小説を原作に描くヒューマンドラマ。
妻を失い喪失感を抱えながら生きる主人公が、ある女性との出会いをきっかけに新たな一歩を踏み出す作品。

ストーリーは、脚本家である妻の音(霧島れいか)と幸せな日々を過ごしていた舞台俳優兼演出家の家福悠介(西島秀俊)だが、妻はある秘密を残したまま突然この世から消える。
2年後、悠介はある演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島に向かう。
口数の少ない専属ドライバーの渡利みさき(三浦透子)と時間を共有するうちに悠介は、それまで目を向けようとしなかったあることに気づかされる。

先月末にアメリカで行われたアカデミー賞で「国際長編映画賞」を受賞した作品。
昨年に公開された映画ですが、現在も上映中という事で約3時間の長時間ではありますが劇場で鑑賞してみる事にしました。

原作は村上春樹の「女のいない男たち」という短編小説集の一つ。
冒頭のシーンで、家福と妻の音がブツブツ言い合っていて、何をしているのかと思ったらセリフの読み合わせみたいなものだったのですね。
俳優であり演出家でもある家福にとってセリフ1つ1つが、自身にとっての生活なのでしょう。

お互いに愛し合っているように見える夫婦でしたが、ある日、音が突然亡くなってしまいます。
その日の朝、音は「今晩話がある。」と言ったきり。
そこから2年が経過してから、映画のタイトルにもある「ドライブ・マイ・カー」が始まります。

家福は東京から広島まで車で向かいます。
自分も広島には何度か行った事がありますが、車では行ったことないですね。
新幹線の方が楽ですから。
広島で新たな舞台の演出を任された家福は、そこえ一人の女性運転手の渡利みさきと出会います。

詳細を書くのはここまでにしますが、広島へ来てからの家福は様々な人と出会い、様々なことを経験していきます。
契約上、マイカーでも運転手をつけることになった家福にとって、渡利という存在も次第にかけがえのないものとなっていきます。

車がないと生活できない北海道の田舎出身で、普通自動車免許を持てない年齢から車を運転してきた渡利にとって、車を運転する事は日常茶飯事。
後部座席でセリフの読み合わせをしている時も、東京から来た高槻(岡田将生)と話し合っている時も、黙々と運転を続ける渡利。
彼女にとって運転する事が生き甲斐であり、存在意義を示していたのかもしれません。

家福と渡利の2人がサーブで広島から北海道まで移動するシーンが個人的には印象的。
北海道のどこか知らないが、広島から車で移動するなんて1日や2日では足りないのではないだろうか?
渡利にとって、いい思い出の少ない故障に戻ってきた事で何かが変わる事が出来たのでしょうか?
それは、きっと本人にしか分からないのだと思います。

約3時間の上映時間ですが、そんな長い上映時間を感じさせないほどに内容の濃い作品だったと思います。
家福役の西島秀俊、渡利役の三浦透子ともに、最近のTVドラマに出演していましたが、それぞれ別の人格でしたね。
やはり、脚本によって役者も変わるものだという事を確認させる映画でありました。

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