映画「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」

映画「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」を鑑賞しました。

この映画は、1998年の長野オリンピックで、スキージャンプラージヒル団体金メダルに輝いた日本代表の活躍の舞台裏を描くドラマ。
選手を支えた25名のテストジャンパーたちの物語をつづる作品。

ストーリーの舞台は、1998年の長野オリンピック。
スキージャンプ元日本代表の西方仁也(田中圭)は、ラージヒル団体で金メダルを狙う日本スキージャンプチームのエース原田雅彦(濱津隆之)のジャンプを見つめていた。
西方と原田は前回のリレハンメルオリンピックに代表選手として参加し、ラージヒル団体では金メダルまであと少しだったが、原田のジャンプ失敗により銀メダルで大会を終えていた。
西方は4年後の長野オリンピックを目指すが、腰の故障で代表を逃す。

日本スポーツ史に残る逆転劇として、今でも語り継がれる長野オリンピックのジャンプ・ラージヒル団体。
本来なら昨年6月に公開予定だったがコロナ禍で翌年に延期。
そして、GW明けに公開が決まったが緊急事態宣言の影響で再び延期しましたが、ようやく公開される事となりました。
おそらく、あと1ヶ月に迫った東京オリンピック前に公開したかったのでしょうけど。

この作品の主人公は西方仁也。
実在する人物で、私よりも年上ですが、ここでは敬称略させていただきます。

西方はリレハンメルオリンピックの団体で大ジャンプを見せ、2位に大きく差をつけてトップに立つが、アンカーで飛んだ原田が100メートルにも届かない失敗ジャンプで銀メダルに終わってしまう。
たった1人の失敗で金メダルを逃がしてしまう。
原田の前を飛んだ西方選手ら3人は、どんな心境だったでしょうか。

帰国後の記者会見で厳しい質問を浴びせられる原田選手。
そんな原田に対して、西方選手は4年後に長野五輪では一緒に金メダルを獲る事を誓い合う。

しかし4年の月日は、そんなに簡単に行くものではありませんでした。
リレハンメルオリンピックの翌年に、船木和喜が彗星のごとく出現。
そして、日本ジャンプ陣の層も厚くなり、誰が4人の中に選ばれるかというくらい充実する程に。
西方も、彼らに負けまいとトレーニングに励む中で腰を痛めてしまい、戦線を離脱してしまいます。

何とか長野オリンピック前に腰は回復したが、遅れを取り戻す事が出来ずに代表から落選してしまう。
長野県出身の西方にとっては、地元開催のオリンピックは何としてでも出たかった筈。
その五輪の夢を絶たれてしまった絶望感は、自分には想像できません。

そんな失意の西方に対してコーチの神崎(古田新太)は、彼に長野オリンピックのテストジャンパーを依頼する。
テストジャンパーというのは地味で過酷な仕事。
オリンピックに出場する選手の為に、何度も飛び続けて安全を確認する。
メダリストの彼からすれば冗談じゃないという気持ちもあったでしょう。

そのテストジャンパーの中には、当時は正式種目になかった女子の選手、難聴で耳が聴こえない選手、ケガで強化選手から外れた選手。
たとえテストジャンパーでも五輪で飛べるという思いが集まったメンバーを見て、最初は乗り気でなかった西方も考えを変えていきます、
そして、長野オリンピック本番へ。

詳細を書くのはここまでにしますが、これまでの長野オリンピックのジャンプ団体は原田雅彦中心のエピソードが多く、テストジャンパーのエピソードはほとんど語られていませんでした。
悪天候の中で飛んだ原田の失速もあって、1本目終了時点で日本は4位。
天候不良で競技が中断し、このまま2本目が中止になれば日本はメダルすら獲れなくなってしまう状況で、2本目を続けられるかはテストジャンパーの結果次第に委ねられます。
過酷な状況の中で、テストジャンパーたちのおかげで競技が再開され、そして日本が逆転での金メダル。
そのテストジャンパーのエピソードを、この映画は余すところなく伝えてくれたと思います。

そして、原田と西方の間のエピソードも欠かせません。
リレハンメルオリンピックの団体メンバーだった4人の中で、原田と岡部は4年後もメンバーに選ばれた一方で、西方と代表メンバーには選ばれていた葛西紀明が団体のメンバーから外されてしまいます。
その西方と葛西の分まで飛ぼうと、原田は2人からアンダーシャツと手袋を借りて試合に臨みます。

ライバルであり親友でもある西方と原田。
西方は原田の為にテストジャンプを成功させ、原田は西方の分まで飛ぶ。
金メダルという結果を得た事によって、更に感動してしまいますね。

自分も1998年の長野オリンピックの時に、現地を訪れて競技を観戦しました。(ジャンプではありません)
現地で味わった興奮は今でも覚えています。

そして、間もなく1年遅れで東京オリンピックが開催されます。
コロナ禍の中、厳戒態勢で臨むオリンピック。
23年前のような感動と興奮を味わえるか不安ですが、出場する選手たちは世間の雑音を気にする事なくプレーに集中してほしいです。

この記事へのコメント

2021年07月08日 16:06
リレハンメルでは金メダルを獲らねばという想いで潰されそうだった原田選手も、この長野ではメダルのことよりも自分達にもう一度チャンスをくれたテストジャンパー、特に友人・西方選手のために飛ぶぞ!という想いだったのでしょうね。
まさに舞台裏の英雄たちのおかげですね。
FREE TIME
2021年07月09日 16:22
 >にゃむばななさん
劇中内でも神崎が語っていましたが、リレハンメル後の原田選手は相当に辛い思いをしたそうです。
そして、長野では西方選手たちの為に飛んで掴んだ金メダル。
本当に舞台裏の英雄たちが支えてくれてもたらされた金メダルだったと思います。