映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」

映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」を鑑賞しました。

この映画は、和月伸宏の人気コミックを監督の大友啓史と主演の佐藤健で映画化したシリーズの最終章となる2部作の第2弾。
主人公・緋村剣心の原点を描いたアクション大作。
幕末を舞台に倒幕派の影の暗殺者として名をはせた緋村抜刀斎こと剣心の左頬に刻まれた十字傷の謎、不殺(ころさず)の誓いを立てた理由などが明かされる作品。

「るろうに剣心」シリーズの序章となる作品。
今回、登場する主人公は斬れない刀で人々を助ける流浪人・緋村剣心ではありません。
幕末にその名を轟かせた人斬り抜刀斎が主人公であります。
よって、今回は剣心ではなく抜刀斎と呼ぶ事にします。

冒頭のシーンで、大勢の敵に囲まれ後ろ手に縛られた状態から抜刀斎が反撃に転じます。
そして、これまでのシリーズと違って、彼にやられた者たちの体から多くの血が噴き出し、辺り一面が死体の山と化します。
改めて、明治を舞台にしたるろうに剣心とは別物である事を実感します。

ストーリーの中心は抜刀斎と雪代巴(有村架純)の2人。
原作では、GWに公開された「人誅編」の中に織り込まれた「追憶編」。
この「追憶編」を最後に公開したあたり、これまでの剣心とは違う一面を見せる意図が製作者側にあったのかなと思いながら観ていました。

今回の作品での戦うシーンは、ほとんどが夜。
その真夜中に多くの人が死に、多くの血が流れる。
実際の幕末の京都も、このような感じだったのでしょうけど、殺し合いは良くないなと思いました。
そういえば、池田屋事件や禁門の変など、現在の大河ドラマと重なるシーンが多かったですね。

やがて抜刀斎と巴は夫婦となって、山奥で暮らす事になります。
自給自足で野良仕事に励み、大きくなった大根を見て微笑む抜刀斎に、後の剣心の姿を重ね合わせました。

しかし、巴は意図的に抜刀斎に近づいてきた事を知ります。
巴には許嫁がいたが、その許嫁が京で帰らぬ人になってしまった事。
その許嫁が抜刀斎の頬に傷をつけた男だった事。

そして、後に十字傷となる、もう1つの傷をつけたのが巴が持っていた刀。
巴は抜刀斎によって斬り殺される事になります。

何で抜刀斎は愛する女性を殺さなくてはいけなかったのか。
原作に忠実に描いていたとはいえ巴の背中を斬るシーンは悲しかったし辛かったですね。
そして、2人の間に降りしきる雪が、何とも言えないくらいに美しかった事で、余計にその気持ちを強くさせてくれます。

巴と死別した抜刀斎は再び京へと戻り、戦に出向きます。
その戦も、やがては終わり、第1シリーズの冒頭のシーンへと繋がっていきます。
今回の2部作において、第1部で、これまでのシリーズが完結して、第2部では人斬り抜刀斎から流浪人に変わるまでの流れを描いています

最初は何で「The Beginning」と「The Final」を逆に公開したのかと思いましたが、何でそうしたのかが分かる作品構成でした。
「The Beginning」を観る事によって、改めて最初のシリーズから観てみたいと思う人も多いのではないでしょうか。
今回の作品が、これまでの「るろうに剣心」シリーズの中で、ドラマとしては最も深みがあったと個人的に思います。

この記事へのコメント

2021年06月17日 00:20
原作コミックはあくまでも白黒画像ですから、雪の白さが際立たなかったのが、カラー映像になることで、ここまで鮮やかになるとは。
しかもそれがあのシーンだっただけに、より切なく見えるんですよね。
こういう原作に誠実な作品を1作目から作って欲しかったですね。
FREE TIME
2021年06月17日 21:56
 >にゃむばななさん
こんばんは。
そういえば、原作ではカラーじゃなかったシーンでしたね。
2人の間に降りしきる雪の白さが本当に鮮やかでしたね。
その分、悲しく切なく映りました。
これで「るろうに剣心」シリーズは完結となりますが、最後にいい作品を作ってくれたと思います。