映画「騙し絵の牙」

映画「騙し絵の牙」を鑑賞しました。

この映画は、作家・塩田武士が、俳優・大泉洋を主人公に当て書きした小説を映画化。
廃刊の危機に瀕した雑誌の編集長が、存続を懸けて奔走する作品。

ストーリーは、大手出版社の薫風社で創業一族の社長が急死し、次期社長の座を巡って権力争いが勃発する。
専務の東松(佐藤浩市)が断行する改革で雑誌が次々と廃刊の危機に陥り、変わり者の速水輝(大泉洋)が編集長を務めるお荷物雑誌「トリニティ」も例外ではなかった。
くせ者ぞろいの上層部、作家、同僚たちの思惑が交錯する中、速水は新人編集者の高野恵(松岡茉優)を巻き込んで雑誌を存続させるための策を仕掛ける。

本来なら昨年公開予定だった作品ですが、コロナ禍の影響で今年に延期。
今後、昨年公開予定だった作品は、どんどん公開されていきますからね。

冒頭は社長の犬の散歩中に亡くなるシーンから。
結局、死因は何だったのだろうか?

いきなり、そんな有耶無耶な始まりだったが、そこからが大手出版社・薫風社を舞台に繰り広げられる骨肉の権力争い。
社長の息子・伊庭惟高(中村倫也)が海外留学している最中、専務・東松が推し進める大改革で、お荷物雑誌「トリニティ」の編集長として赴任してきた速水も無理難題に立たされます。

そこから速水は、「小説薫風」の編集から外されていた高野をメンバーとして迎え入れ、大御所作家、イケメン作家、人気モデルを言葉巧みに口説きながら、ライバル雑誌、同僚、会社上層部など次々と現れるくせ者たちとスリリングな攻防を繰り広げていきます。

予告編では「騙し合いバトル」とか言っていたけど、騙し合いというよりは騙す側の人が一方的に騙していて、騙される側はそのまま仕返しせずの流れ。
これの何処が「騙し合いバトル」なんだと思ったのは、ここだけの話です。
予告編でも流していた高野が速水に対して言ったセリフ「人を騙してそんなに面白いですか?」
これまでの流れの中で出てきた高野の一言が、この後の伏線に繋がるのかなと思っていました。

常に周囲の人を騙し続けてきた速水は、帰国した惟高とAmazonで雑誌を販売するという計画を立てていました。
今はWeb媒体で小説や漫画が読める時代。
出版不況を乗り切る為には、売れれば何でも使うという考えが理にかなっていると思います。

しかし、ある日、高野が突然退職します。
実家が書店である高野が選んだ道が、書店を出版社として経営すること。
高野は、今まで表舞台に姿を現さなかった小説家を薫風者から引き抜き、新作を高野書店で独占販売して世間をアッと言わせます。

これまで人を騙してきた速水が、最後に騙される。
それも、自分が引き抜いてきた高野に。
おそらく高野には速水を騙そうという気はなかったと思いますが、結果的に速水を騙す事になって面白い気持ちになったのでしょうか?

この映画の感想を一言で表現すると、出版業界に限らず競争化社会を風刺したような作品。
他社だけでなく社内でも、こういった骨肉の権力争いって、よくある話ですよ。
社会人が観るのと、学生が観るのとでは違った視点で観られる作品だと思います。

個性的なメンバーが揃って、それぞれの持ち味を存分に発揮していました。
その中でも大泉洋と松岡茉優の2人が、ひときわ目を引きましたね。
それだけに1年待った甲斐がありました。

この記事へのコメント

2021年04月25日 00:25
誰かを騙すということは、逆に誰かに騙される可能性もあるということ。
これはイタズラ好きや騙し屋さんにとっては鉄則。
速水はそこのところを忘れちゃったのでしょうね。
高野にとっては、騙すつもりがなくても「裏をかく」という点においては、速水がとても有能な先生になっていたということなのでしょうね。
FREE TIME
2021年04月25日 11:14
 >にゃむばななさん
騙す奴は騙される事もある。
まさに、そんな感じの結末でしたね。
そういう意味では高野の下した判断が、結果的に速水を騙す事になったのは必然だったと思います。