映画「閉鎖病棟―それぞれの朝―」

映画「閉鎖病棟―それぞれの朝―」を鑑賞しました。

この映画は、精神科医でもある作家・帚木蓬生の、山本周五郎賞に輝いた小説を映画化。
精神科病院で起きた殺人事件をきっかけに、患者たちの思いが交錯する作品。

ストーリーは、長野県の小諸にある精神科病院には、さまざまな過去を持つ患者たちが入院していた。
死刑囚だった梶木秀丸(笑福亭鶴瓶)、幻聴が原因で暴れるようになり周囲から煙たがられている元サラリーマンのチュウさん(綾野剛)、不登校のため通院する高校生の由紀(小松菜奈)ら患者たちは、明るく生きていこうとしていた。
ある日、秀丸が人を殺してしまう。

冒頭ではモノクロ映像で死刑シーンが始まります。
こうやって死刑は執行されるのかと参考になりつつも、あまり観たくはないですね。
ましては首を吊られているのに生きているなんてあり得ないのですが(謎)

この映画の中心人物は秀丸とチュウさんと由紀の3人。
3人とも、それぞれ事情を抱えて精神科病院に入院していますが、それぞれの回想シーンを見ていても複雑な事情である事をお察しします。

病院以外に居場所のない3人は、いつしか家族のようになります。
感情表現が苦手な3人の相手を思いやる気持ちや、ちょっとした行動が心を温かくしてくれます。
しかし、3人にとって有意義な日々が、乱暴な入院患者によって暗転し、秀丸は、その乱暴な入院患者を殺してしまいます。

秀丸は、普段は温厚で他の患者からも慕われているのに、妻の浮気を目撃した途端に逆上して、一緒にいた男まで殺してしまうのって。
いくら激怒したからと言って、台所からナイフを持ち出して、あまりにも凶暴過ぎて・・・。
その後、再び人を殺してしまうのも理由があるからなのだが、殺す以外にに選択肢はなかったのかと疑問に感じました。

詳細を書くのは、ここまでにしますが、主要人物である3人以外の患者にも、それぞれスポットを当てていて、精神科病院で入院する患者や、その人達を支えていく医者や看護師の苦労も伝わる作品でした。
中でも患者たちを優しくも厳しい態度で常に患者を見守る看護師長を演じた小林聡美さんの演技が一番印象に残りました。

映画のサブタイトルにもなっている「それぞれの朝」。
果たして秀丸、チュウさん、由紀の3人にとっての「それぞれの朝」とは何なのか。
深く考えてしまいたくなるような内容の作品でした。

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