映画「運び屋」

映画「運び屋」を鑑賞しました。」

この映画は、「The New York Times Magazine」に掲載された実話をベースにしたヒューマンドラマ。
麻薬を運ぶ90歳の男に待ち受ける運命を描く作品。

ストーリーは、主人公のである90歳のアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は、家族を二の次にして仕事一筋に生きてきたが、商売に失敗した果てに自宅を差し押さえられそうになる。
そのとき彼は、車で荷物を運ぶだけの仕事を持ち掛けられる。
それを引き受け、何の疑いも抱かずに積み荷を受け取っては運搬するアールだったが、荷物の中身は麻薬だった。

イーストウッド監督が主演も兼ねた最新作。
昨年、「15時17分、パリ行き」と実在を題材に取り上げたが、今作も「ニューヨークタイムズ」の日曜版別冊に掲載された記事が基になったそうです。

高級ユリの生産者として成功していた退役軍人のアールだったが、時代の流れとともに没落し、自宅や農園を差し押さえられてしまいます。
更に仕事優先で家族を蔑ろにしていた妻や娘からも見限られて孤独な日々。

そんなある日、コカインの運び屋の仕事を持ちかけられる。
当初は1回きりのつもりだったアールだったが、手にした大金の大きさから、更に運び屋の仕事を続けていく事になり、麻薬の組織からも逃れられなくなる。

詳細を語るのはここまでにしますが、先日もある芸能人がコカイン所持の容疑で逮捕されましたが、改めて麻薬を売りさばこうとする人間にロクなのがいないという事が、この映画を観ても、よくわかります。

その誘惑に乗ってしまったアールというのは、きっと欲望に正直な人間なのだと思います。
見るからに怪しい人間の誘いに乗って大金を手にしたら、誰だっておかしい事に気づくでしょう。
しかし、これまで頑張ってきた仕事で成果を得る事が出来なかった彼にとって、荷物を運ぶだけで高額な報酬を得る事が出来た分、中身が何なのかなど、どうでもよかったのでしょうね。

しかし、妻の死が迫っている事を境に仕事よりも家族を優先にした事でアールを取り巻く環境も変わってきます。
でも組織は、そんなアールの勝手を許そうとしません。
最早、アールを組織から離れさせる事が出来るのは、麻薬取締局が彼を逮捕する事でした。
最後、アールは麻薬取締局によって逮捕されるわけですが、自分も逮捕されたシーンを観ていて、「ようやく捕まったか」と安堵の気持ちになりました。

きっとアールも捕まってホッとしたのでしょう。
だから無抵抗に逮捕に応じて、裁判でもあっさり罪を認めたのだと思います。
ラストで、刑務所に入ったアールが、再びユリの栽培を始めた時の表情が、これまでに観られなかったものでした。

クリント・イーストウッドは現在88歳。
この年齢で、監督に役者の二刀流をこなしているだけでも凄いですね。


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この記事へのコメント

2019年03月18日 01:18
多分アールは心のどこかでデイリリーの育て方など自分が積み上げてきたものを誰かに伝えたいという気持ちも、自分がこれまで家族をないがしろにしてきた想いを伝えたいという気持ちも、この刑務所で叶えることが出来ると思ったのではないでしょうか。
彼の最後の笑顔を見ると、ふとそんな気がしましたよ。
2019年03月18日 21:02
 >にゃむばななさん
刑務所でのアールの表情が安堵の表情になっていたのが最も印象に残っています。
最後の最後で報われた気がしました。

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