映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」

元日はファーストデーだったので、映画「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」を鑑賞しました。

この映画は、渡辺一史の著書「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」を映画化したドラマ。
幼いころから難病で車椅子生活だった主人公の涙と笑いの日々を映し出す作品。

ストーリーは、北海道で医大に通う田中(三浦春馬)は、ボランティア活動を通じて体が不自由な鹿野(大泉洋)と出会う。
鹿野は病院を出てボランティアを募り、両親の助けも借りて一風変わった自立生活をスタートさせる。
ある日、新人ボランティアの美咲(高畑充希)に恋をした鹿野は、ラブレターの代筆を田中に頼む。ところが美咲は田中の恋人だった。

2019年最初の映画鑑賞作品。
この映画のタイトルと、劇場での予告映像を見てコメディタッチなのかなと思いきや、シリアスな作品でした。
しかも、鹿野靖明さんって実在する人物だったのですね。

感動的ではあるが、深刻で重い真面目な物語。
障害者を描く際の、そんな常道から外れようとした作品です。
エンターテインメント色は強いけど、不自由な体ながら自由に生きた主人公からは、世間のお仕着せをはねのけようとする気概が伝わってきました。

鹿野がかかった病気「筋ジストロフィー」とは、時間経過と共に筋肉が徐々に壊れていき、進行性に筋力が衰える病気。
運動機能に問題が生じる他、心臓や呼吸等の内臓機能に症状をきたすこともある遺伝性の筋疾患であるとの事です。

その鹿野は、ボランティアに対して深夜にバナナを買いに行かせたり、ハンバーガーにケチをつけたりと、はっきりいって「言動」はわがままです。
そんな鹿野に対して美咲は、「障害者って、そんなに偉いの」と苛立ちぶつけます。
実際に、あの場にいてわがままな言動に振り回されたら、誰だって怒りたくもなるでしょう。

このあたりまでは、鹿野がものすごく嫌なヤツに見えます。
でも、そこから徐々に徐々に鹿野が本当はどんな人物なのかが見えてきます。
多くの人は「筋ジストロフィーで24時間介護が必要なんだったら、そこまでしてボランティアに迷惑を掛けてないで家で家族に看てもらうか、入院しているべきでは?」と考えます。
しかし、見方を逆にすれば、彼は第3の選択肢を自らの生き方で証明していることになります。
その鹿野の気持ちがわかったからこそ、あそこまでのボランティアが集まったのだと思います。

エンドロールのラストに在りし日の鹿野靖明さんの映像が出てきます。
そこで見せていた笑顔は、まさに大泉洋が演じていた鹿野靖明そのもの。
最初に見せていたわがままぶりにもイライラしなかったのは、大泉洋の持つキャラクターならではだったと思います。



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