映画「武士の家計簿」

映画「武士の家計簿」を鑑賞。

この映画は、磯田道史原作のベストセラーを、森田芳光監督が映画化した異色時代劇。
代々加賀藩の財政に携わり「そろばんバカ」と呼ばれた下級武士が、妻の支えを得ながら一家、そして藩の財政を切り盛りしていく姿を描いた作品。
先行き不透明な現代にも通じる、幕末維新の激動の時代をたくましく生き抜いた主人公一家の姿勢に注目。

ストーリーは、会計処理の専門家、御算用者として代々加賀藩の財政に携わってきた猪山家八代目の直之(堺雅人)。
江戸時代後期、加賀百万石とうたわれた藩も財政状況は厳しく、加えて武家社会には身分が高くなるにつれ出費も増えるという構造的な問題があった。
直之は、家財道具を処分し借金の返済にあてることを決断し、猪山家の人々は一丸となって倹約生活を実行していく事を決意する。

武士の命は刀などと、よく言われるが、今回の映画の主人公でもある猪山直之にとっては、そろばんが命の武士。
几帳面で曲がった事を嫌う性格。
ある意味では日本人気質らしい人物と言えます。

自分にとって、そろばんって言っても小学校時代の算数で習った程度。
そろばんを習っていた人は計算を解くのが早いと言われますが、実際に自分の小さい頃に同級生でそろばんを習っている子が何人かいたが、確かに計算問題を解くのが速かったのを憶えている。

ただ、現代社会ではパソコンが普及し、パソコン内の表計算ソフトで会計するのが主流となっている、
そんな今の時代でも、果たしてそろばんは役に立つのだろうか?

さて、話は横道に逸れたが、直之が就いている仕事は算用者。
今でいう所の会計監査みたいな仕事で、時代劇版「黄金の豚」(笑)

その仕事に直之は生き甲斐を感じ、そして駒(仲間由紀恵)と出会い、子も授かる。
一方で、猪山家の財政は厳しく、今のままでは生活もままならなくなってしまう。
そこで、直之は借金返済の為に、家財の売れるものは、どんどん売って倹約する事を家族中に徹底させる。
現代社会でも不況が長引き、倹約とか節約とか言われているが、一度、贅沢な生活が身についてしまうと、なかなか踏み切れないものだと思う。
それに踏み切れた直之ならびに猪山家の人達は大したものだと思います。

この作品において学んだ事もありました。
劇中内で、直之が帳簿の記載に誤りがある事を、上の人に報告した時に、「帳簿と言うのは入る時と出るときが合っていればいい。」と語っていましたが、それが俗に言う「帳尻合わせ」。
また、「借金」がどのようにして生じてくるのかも直之が息子・成之に教えていたが、非常にわかりやすく自分にとっても勉強になりましたよ。

時代は幕末から明治にかけての設定だったが、その時代の移り変わりも見事に描写されていましたね。
まだ武士だった頃は反発する事の多かった直之と成之が、時代が明治に代わり、そして成之が久しぶりに家路について、年老いた直之を背負って犀川を歩いて昔の事を語り合うシーンには胸打つものがありました。

生活していく上では家計簿は必要だと思うが、我が家では、最近、家計簿をつけていない。
もっとも、通帳が家計簿みたいなものだから(汗)