映画「奈緒子」

映画「奈緒子」を鑑賞して来ました。

この作品は、「ビッグコミック・スピリッツ」で長期連載された駅伝漫画が原作で、自分のせいで人が一人死んでしまった事で心に十字架を背負う少女と、その亡くなった人の息子であった少年が駅伝を通じて、お互いに止まっていた時間を動かし始めるストーリー。

自分は原作を読んでいたので、原作の内容を把握していたのですが、やはり長編漫画の映画化だけあって、全てを編集するのは無理ですね(笑)

ストーリーの主人公は東京に住む高校生・篠宮奈緒子(上野樹里)と長崎県に住む天才ランナー・壱岐雄介(三浦春馬)。
小学生の頃、喘息の持病を抱える奈緒子は療養を兼ねて長崎県の波切島を訪れる。
そこで家族で船旅をしていた最中、不注意で奈緒子は海に落ちてしまう。
海に落ちた奈緒子を漁師・壱岐健介が救助するが、健介は命を落とす事に。

それから6年。
奈緒子と雄介は高校生になり、東京で開かれた陸上の全国大会でお互い再会する事に。

ストーリーの内容を書くのは、ここまでにしておきますが、原作とのギャップを感じつつも駅伝の醍醐味は原作同様確りと伝えていた作品だった事もあって楽しめて観る事が出来ました。

最初、奈緒子役を上野樹里が演じると聞いた時には違和感がありました。
上野樹里は「のだめ」が代表されるように陽気な役柄が多いのですが、その上野樹里がおとなしい奈緒子をどうやって演じるのか不安でした(汗)
実際に本作品でもセリフは少なめ。正直、奈緒子のイメージではなかったかも・・・。

西浦監督を演じた笑福亭鶴瓶。
原作の西浦同様に仏と鬼の顔を使い分けていた演技は評価出来ますが、長崎が舞台の作品なのに関西弁で話していたのにはツッコミ入れたくなりました。
もっとも、他のキャラは標準語だったし、長崎を舞台にしながら長崎弁が全く出てこなかった演出はやや不満。

原作では主要人物である雄介の兄・大介、権じいや品川医師などが登場しなかったのは残念ではありますが、長編漫画を2時間前後で纏める事を考えると仕方ないか(笑)
逆に原作では登場していない女子マネ(佐津川愛美)を起用させたりなんかしていますけど(爆)

メインである駅伝のシーンは、やはり惹きこまれてしまいました。
駅伝は個人競技の多い陸上競技の中でも数少ない団体競技で、正月の箱根駅伝に代表されるように日本人は駅伝という競技が好きである。(誰しもが好きと言うわけではないが)
その駅伝の醍醐味である1本のタスキを繋ぐ難しさを重さを、この作品でも非常に良く描かれていました。

「駅伝って変な競技だ!」
劇中内における雄介のセリフですが、言われてみるとそうかもしれない。
団体競技ではあるけど、それぞれ別々のコースを走るのが駅伝。
個人競技を団体にした競技といえばスキージャンプやクロスカントリースキーもそうではあるが、同じジャンプ台で飛ぶし、クロスカントリースキーにしても同じコースを走る。
そう考えると、各メンバーが違う場所で競技する団体競技と言えば駅伝くらいなのかも?

それぞれ違う場所で競技しつつも繋ぐタスキは1本。
その1本のタスキを必死の思いで繋ぐからこそ駅伝は面白いのです。

その駅伝によって奈緒子と雄介の離れていた気持ちも繋がっていく事になる。
原作では雄介が駅伝を走る時には、いつも奈緒子が雄介を後押ししていく展開の繰り返しなのですが、劇中内でのレースは1回。
一緒にいる時間を過ごす事によって、雄介が奈緒子の過去を次第に許せるようになったのは伝わりましたが、お互いにとってかけがえのない存在になっていくと言う部分においては、1回のレースだけでは、あまり伝わって来ませんでした。
やはり1回のレースだけで伝えるのは難しいよな。

原作のような展開ではなかったけれど、奈緒子と雄介の心の葛藤や駅伝の魅力はうまく描いていた作品でした。
原作を読んだ事のない方には「奈緒子」というタイトルに違和感を感じている人が多いかと思われますが、原作でも雄介が中心で奈緒子の出番は少ない事だけは伝えておきます(笑)

奈緒子映画セレクト 1 新装版 (1) (ビッグコミックススペシャル)

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